知識より体験。現場で育つ「冷暖自知」のOJTで仲間募集


 

こんばんは、有限会社THSの鈴木です。最近、休みの日もつい現場メモを文章に起こしています。書けば書くほど、私たちが大事にしてきた「冷暖自知」という言葉に戻ってきます。冷たい・暖かいは、説明を読むより自分で触れて初めてわかる。25度という数字を知っていても、肌で感じる質感や安心感は体験の中にしかありません。


だからTHSは、座学だけで完結させません。先輩に同行し、工具の持ち方や養生の敷き方、配管の接続加減まで一緒に確かめます。小さなタスクを任され、写真とチェックリストで振り返り、翌日にすぐ試す。短いサイクルで手応えが積み上がる仕組みです。


印象に残っているのは、入社間もないメンバーが真空引きの段取りで戸惑った日。現場で先輩がゲージの針の戻りとホースの“微かな音”を一緒に確認し、原因と対策をメモに落としました。翌日には手つきが変わり、昨日より早く、確実に実行できるようになった。まさに「知る」から「わかる」への橋渡しが、現場の五感で起きた瞬間でした。


もうひとつ、私自身の早い時期の失敗談。ドレン勾配を読み違え、数日後に「室内機からポタポタ音がする」と連絡をいただきました。すぐに伺い、化粧カバーを外し、配管の取り回しと勾配を再確認。水平器と手の感覚で微調整し直すと、音は止みました。帰り際に「今夜は安心して眠れます」と言われたとき、胸の奥で“数字よりも生活を守る感覚”がカチッとはまりました。この実感は、どんなマニュアルにも書き切れません。


現場には数字だけでは伝わらない情報が満ちています。お客様の雰囲気、お家の間取り、作業空間の狭さや熱気。夏の小屋裏で配線を通したときは、数値上は問題がなくても、断熱材の隙間から吹き込む熱でテープの粘着が落ちやすいことを身をもって知りました。以後は気温と作業順を見直し、貼り増しと固定ポイントを追加。こうした「体験が知識を支え、知識が体験を深める往復運動」が、自信と誇りをつくっていきます。


THSの育成は、そうした往復運動を意図的に回す設計です。同行で安全・段取り・養生の型を体で覚え、写真とチェックリストで可視化し、翌日すぐに試す。うまくいけば手順に残し、つまずけば原因を明確にしてやり直す。失敗はマイナス要素ではなく、チームの資産に変えるための大切な要素だと考えています。

評価もまた、体験の質を確かめます。誰かの「ありがとうございました」が増えるほど、紹介が増え、クレームが減り、学びが循環する。数字は追いかけるけれど、数字だけを追いかけない——このバランス感覚も現場でしか育ちません。


新人には「15分の環境整備をしっかりと行うこと」を伝えています。たった15分の習慣が、現場のリズムと対話を整え、ミスを未然に防ぎます。小さな整えは小さな自信になり、その積み重ねが大きな安心に変わる。これもまた、やってみて初めて腑に落ちたことです。


「自分の手で、確かな仕事を身につけたい」「人の暮らしや感謝に直結する技術を学びたい」。そんな想いがあるなら、まずはカジュアルに話しましょう。会社の雰囲気や育成の流れ、1日の動きまで包み隠さずお伝えします。半日の同行見学も歓迎です。知るだけでなく、触れて確かめる。その最初の一歩を、ここからご一緒できればうれしいです。


知識は大切。けれど、知識だけでは動けない。触れて、やって、わかって、また誰かに渡す。その循環を一緒に回していきましょう。冷暖自知を、仕事の中心に。明日もまた、現場で。